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2005年03月02日
ロンドン勤務
人生の転換期と言うのはこんなものなのかも知れません。
誰が立川の営業所から、赤坂の東京支社から、英国のロンドンに転勤になると思いますか?普通。
ロンドンのレストランサントリーは、バッキンガム宮殿の近くにある
クイーンマザーがお住まいになるセントジェームス宮殿のすぐ隣のブロックにありました。
1977年7月7日開店。
私は、83年~88年までそこで勤務しました。
何もかもが初めてのことばかり。
英語が通じない。 あー日本の学校で習ったのは「米語」だったんだ。
銀行で両替が出来ない。 スーパーのレジで言葉が分からない。
パブでビールも注文できない。
日本の英語教育を恨むべきか・・・・自分のバカさ加減を恨むべきか?
とにかく一生懸命、朝から夜中まで、時には翌日の朝方まで働きました。
週90時間勤務は普通。
イヤ、普通じゃないですよね・・・90時間は。
従業員は合計で35名、11カ国の出身国。 もうオリンピック状態。
色々なお客様にも来ていただきました。
ミック ジャガー、リンゴ スター、ロジャー ムアー、アラブの石油大臣、
インドの投資家、オックスフォードにご留学中だった浩宮殿下、
そして私はダイアナ妃とチャールズ皇太子お二人にパーティー会場で
お二人にとっては初めての お寿司をご説明、献上した初めての日本人です。
とにかく有名人の沢山来られる店でした。
予約無しでお見えになったティナターナを変な黒人女性と間違え
お断りしそうになり、ウエイターに「Mr. Uchida ! She is Tina Tana !」
Oh. Yeah?
その頃の英国ロンドンは、サッチャー首相が再選され、2期目の5年が始まったばかりでした。
英国経済絶好調、店に2本ある電話は予約の電話で鳴りっ放し。
腰が抜けるまで働きました。
どうしてオレはいつもこうクタクタになるまで働くんだ?
役職はジェネラルマネージャー・・・
そう日本語で言うと 総支配人・・・偉そう・・
でもやる事は、店の運営、管理「全部」、スタッフが休んだ時はトイレの掃除、
皿洗い、壊れた椅子の修理、仕入れまで全てやらなければならない、
「ジェネラルな」マネージャーです。
毎日一生懸命働きました。
のんびりサボっている外人スタッフを見つけては叱りながら、ただただ本社に
評価されるように、売上予算を達成するように・・・・・と。
しかし、英国のパブでのんびりビール片手に延々とお話している人々、
アフタヌーンティーを楽しむ人々の余裕を見ている内に、「なんか変じゃない?」と
思うようになりました。
「どうして、こう日本人だけ忙しい訳?」
「どうして、俺だけ椎間板ヘルニアになるまで働かなきゃいけないの?」
心の底に、「何かしっくり来ない」ものが流れ始めてきました。
深夜帰りに契約しているタクシー会社のいつもの運転手に言われたんです・・・・・
「Hey Mr. Uchida. Why you look so unhappy?」
投稿者 : 2005年03月02日 23:31
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