2006年04月14日
機械
欧米に住んでみて
日本人と、物事の考え方の違うことが多々あるが
最近 すっかりその違いを
受け入れられるようになったことが一つある・・・
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<機械 、 機器は壊れるものである・・・>
???
そう
欧米では
自動車や機械は壊れるものである・・と言う
大前提が 社会の基本的考え方にある・・
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一方 日本は
機械は壊れやすいから
壊れない機械を造ろうとする・・
そして
万が一 故障したら・・・
誰かが 責任を取る・・・と言う
厳しい文化がある・・・
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駅の 自動販売機・・
日本製の券売機が壊れる事は
稀であるし・・・・
壊れると 乗客は駅員に文句を言う
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そうすると
日本の場合 誰かがすぐ対応し修理して
「 謝 る 」・・
「故障して、大変ご迷惑をおかけしましたー」って
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例えすぐ切符の詰まりを直しても
こういう機械を造った誰かが 悪い・・と考える
おい この券売機壊れたぜー・・・見た?今 詰まったろ!
どこ製だ?・・・みたいな
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欧米では 謝らない・・・
だって 機械だから仕方が無い・・・
誰のせいでも 無い・・
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ロンドンの地下鉄の自動券売機
3台あると 2台故障している・・
残りの 1台で切符を買う人は
余程 実情を知らない観光客か
一か八か・・と勇気のある人である・・・
ほとんどの人は
一箇所だけ開いている
窓口で並んで切符を買う
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だって 券売機だと
切符どころか投入したお金さえも
戻って来ないのを
皆 知っているから・・・
元来 機械は信頼しない・・・
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社会に そういう共通の理解と
「あきらめ」がある・・
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時々 我が家のコンドミニアムの
火災警報アラームが
ウーン ウーン と鳴り出す
普通 だいたいは 誤報・・・
「今のは誤報でした・・ 繰り返します 今のは・・」
と 後でアナウンスが流れる・・
すっかりこれに慣れて オオカミ少年にならないかと
心配しているが・・・
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「お騒がせして 大変申し訳ございませんでした・・」
とは 言わない
だって 機械が誤作動しただけだから・・・って
時々 こういう事があるじゃない・・って
誰のせいでも 無い・・
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しかし 同じヨーロッパでも
ドイツとかスイスは少し違う
どちらかと言うと日本の文化と近い
自動車や時計/精密機器を得意とする国だし
「故障が少ないのは性能のいい車」とか、
「時間に正確」と言うのは、
良い事であり当然だ・・
と考える文化があるから・・・
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でも アメリカは謝らない
スペースシャトルやボーイングジェットが
墜落したら
誰かが責任を取るが
普通
機械が故障しても
誰かが責任を取るどころか
謝りもしない・・・
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最近 日本の航空会社の
整備不良が増えている・・・・
米国から始まった航空自由化で
どんどん
日本本来の 匠の世界
あるいは
徹底した 妥協を許さないモノ作り、
完璧な修理、チェック体制・・なんて言う文化までが
どんどん 失われていっているような・・
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民営化、価格競争から来る費用削減で
現場の価値観が加速度的に
米国スタイルになっているのが
目に見えて分かるような気がする・・・
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日本航空が 退職した整備士を再雇用するとか
是非 お願いしたいものだ・・・
飛行機が落ちて
だって 「機械なんだから」 は勘弁して欲しいし・・・
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でも最近
この文化の違いを理解できてから
生活の中で、 機械が壊れても
別に 腹が立たなくなった・・・
そういう国民性や文化を持つ国に住んでいるんだから・・と
投稿者 : 2006年04月14日 05:17
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