« 戸籍謄本 その2 | メイン | あこがれ 初恋 »
2006年05月03日
戸籍謄本 その3
玄関の外で ご一行をお迎えする・・・
おー 浩ノ宮殿下だ!
本物だ・・・?
・
・
いらっしゃいませ・・・
殿下にそう言って 一礼した・・
「あ どうも」 殿下も きちんと
挨拶をしてくださった
・
・
当日は、駐英大使夫妻と 侍従
そして
スコットランドヤード(ロンドン市警)の
専任ガードマン二人が
食事をされる事になっていた・・・
あとは お付きの方々・・・
・
・
殿下は きちんとしたスーツ姿で
笑顔で お越しになった・・・
店内で 「いらっしゃいませ!」 と言う 従業員一人一人に
「あ どうも」と 丁寧に挨拶をしてくださる・・・
・
・
店の常連だった駐英大使は
「 内田君 今回は 殿下がサントリーの鉄板焼きをと
ご所望でね・・・・」 と言ってくれた・・
「はー 左様でございますか・・・それは光栄でございます」と
いつもより 舌をかみそうな敬語で答える・・・
・
・
殿下は にこやかに 店内を珍しそうに見ながら
私の後に付いて 歩いてくださる・・・
鉄板焼きの個室に ご案内・・・
・
・
続いて 殿下ご留学中の専属警護官二人を
その個室がすぐ目の前に見える
一般席に案内した・・・・・
(この二人の警護官は、殿下が留学後帰国された後に
宮内庁から、夫婦で日本に招待されている)
・
・
二人とも 笑顔で とてもスマートな紳士・・
あまり警察、警備担当 と言う感じがしない・・・
二人並んで 個室が見える側に座る・・
・
・
殿下は オックスフォード大学の学生寮生活をされていたから
きっと日本食が恋しく思われたのだろう・・
お食事が始まり
戸籍謄本を渡した 例の鉄板焼チーフに
「緊張しないで笑顔で・・・」 と
声をかけた・・・・
・
・
殿下は とてもお酒が強くていらっしゃる・・
食事中は 日本酒をとても喜んで飲まれ
お刺身や 土瓶蒸し、
鉄板焼きステーキやシーフードの食事を堪能された・・・・
・
・
二人の専任ガードマンにも挨拶する
「いつも殿下が お世話になっております・・・」 と??
この二人 食事は普通にするが
一切飲み物を飲まなかった
お酒どころか 水一杯も・・・
・
・
警護の時間中は水分を摂らないそうだ・・・
トイレに行きたくなるから
はー これまた ご立派!
・
・
殿下と駐英大使夫妻 そして 侍従 4人での
個室の食事は とても和やかに楽しそうで
笑い声が 絶えなかった・・・
あー 良かった・・・・
・
・
そう思った瞬間
鉄板焼きダイニングルーム一般席で
ガシャーーーーン ! という音が!
・
・
ギリシャ人のウエイターが緊張の為
あの重い益子焼のお皿を 5枚ほど
床に落として割った音だった・・・・・
あっ !!
私が駆けつけると
二人の警護官が咄嗟に 腰のベルトの拳銃に手を当て
立ち上がった!
・
・
ノー ノー ノー ~!
そのギリシャ人のウエイターは、両手を高く上げて
叫んでいる・・・
・
・
失礼しました・・・・
私が謝り、そして個室にも謝りに行った
「お騒がせして申し訳ございませんでした・・・」 と
・
・
さて ご一行のお席が終わるまでに
日系婦人会の方々にお帰りいただかないといけない
だって 殿下の来店は<極秘>なんだから・・・
・
・
店内にいらっしゃる殿下を
日本人のご婦人方に見られると 困るから・・・
・
・
しかし心配していたよりうまく、婦人会の面々は
3時頃に 皆お帰りになった・・・・
あー 良かった
これで殿下との 鉢合わせは 無い・・・
・
・
殿下のお食事もそろそろ終了・・・・
警護やお付きの面々が
「内田さん もう車を回してもいいですか?」 と
「 はい お願いします・・」
・
・
食事が終わって 大使夫妻と殿下ご一行は
とても満足そうに個室を出ていらした・・・・
・
・
「 ご馳走様でした。とても美味しかったです・・」
そう 殿下は私に 直接言ってくださった・・・
かなり お飲みになっているはずだが
全く 姿勢も崩れず、紳士然 とされていた
・
・
「はい ありがとうございました。
またよろしくお願いします・・・・」
なんだか 訳の分からない平民の挨拶をして
お見送りをする・・・
殿下を先導して 店内の廊下を歩いていたその時
あれー ?
帰ったはずの日系婦人会のお客さんが二人
地下の化粧室から 上がってきて
ばったり・・・ してしまった!
・
・
その 日本企業の駐在員の奥さん二人は・・・
<鳩が豆鉄砲を食らった>状態・・・
殿下が目の前を通り過ぎるのを見て
あわてて 我々に道を譲り 深々と 頭を下げて
お見送りをしてくれた・・・
・
・
「殿下 また是非いらしてくださいませ・・・」
そして玄関に 用意してあった
サントリーのメロンリキュール 「ミドリ」を一本献上し?
「これ よろしければ学生寮で 召し上がってください・・」 と
スタッフ皆で 挨拶した・・・
・
・
殿下は
「あー そうですか。ありがとうございます」
そう言って とても喜んでくださった・・・
私が殿下に差し出した品は
さっと 横から侍従が受け取る
殿下は 直接受け取らない・・・
あっ これは失礼しました! と
一つ勉強になった・・・?
・
・
車に乗り込んだ ご一行を無事
お見送りし店内に戻る・・・
・
・
驚いた婦人会の二人から
「あのー 今のは 浩ノ宮殿下ですよね?」
と聞かれた・・・
「 はい・・・」
その二人は脱兎のごとく帰っていった…
・
・
その 特報ニュースが
口コミで その一両日中に
ロンドン中の 日本人に
あっという間に広がったのは
言うまでも 無い・・・
・
・
別にウチが宣伝したわけじゃないからいいや・・ と
・
・
お見送りを終えて 店内に戻った私は
上着を脱いで 驚いた
着ていたシャツが 汗でびっしょり・・・
ドッと疲れが出て 座り込んでしまう…
・
・
それにしても 殿下のお人柄は素晴らしかった
あれなら世界中どこでも そして
どの国の王室とお付き合いされても通用するな・・なんて
日本人として そう 嬉しく 誇りに思ったのを覚えている・・・
・
・
アメリカ人が 日本や英国に嫉妬することがある
それは ロイヤルファミリーの 存在
米国には 王族、皇族がいないので
とても あこがれるそうだ・・・
・
・
海外にいて 日本の<天皇制国家> とか
<国籍> <戸籍制度>とかいうものを実感し
日本という国を
全く違う角度で見れたような気がする・・・
投稿者 : 2006年05月03日 07:28
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mkuhawaii.com/blog/mt-tb.cgi/840