2005年09月20日
私の履歴書
ご存知の方が多いと思う。
日経新聞の 「私の履歴書」と言う連載
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政財界、そして各分野で何かを極めた
大物、経営者、その道のプロ、
学者そして政治家などが、一ヶ月の連載で
自分の生涯の思い出、経験を綴る・・
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毎月、執筆をする方が誰かを調べ、
初めの2-3回を読む・・
そして、決める・・・・
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月末まで全て 読むか、読まないか・・・
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早い場合は、初日の 執筆文章を読んで、
判断することも多い。
読まない・・ と決める場合・・
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やたらと、「肩書き」と「自慢話」の多い人の履歴書・・
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そりゃ、ひどい時は自分の両親や、その実家の自慢話、
家系、肩書きから始まり 全ての文章、お話に「肩書き」が
必ずといっていいほど 記されているケースもある。
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今まで、一番不愉快で軽蔑した人・・・・
誰 と言うと、語弊があるので、書かない・・けど
大まかに言って、一流名門企業のサラリーマン経営者、
政治家にそのタイプが多い・・・
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永い事、その地位にしがみついていた方々は、
特に毒気が強い・・・
自己陶酔型・・・・・
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そう 「肩書き」 と 「出世」の話ばかり・・・
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・・・・ 当時 常務取締役 ~本部長だった私が、○○株式会社の
専務取締役をされていた△△氏 (△△氏は その後、社長、会長、
そして名誉会長まで歴任された・・)と、××大学の当時総長で、後に
勲一等旭日大綬章 を受章された◇◇名誉教授と4人で、軽井沢で
ゴルフをした時のことである・・・・・・・・
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何やねん それ!
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そやから ゴルフして どないしたんや!
はよ <要点> 書かんかいな !
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一ヶ月の履歴書の連載が待ち遠しくて仕方が無かった方々が
何人かいる・・・
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もちろん、自分が勤務していた
サントリーの 元会長 佐治敬三氏
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ハワイでも 実際その お人柄に接する事が多かったし、
自分の会社のオーナーだから当然・・
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でも、それだけではない・・・
とても、人間味溢れるストーリー・・・
本当に、自らの若い頃からの失敗談、困ったこと、
いかに自分が ダメ人間だったかなど・・
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謙遜で、そんなことまで書かなくとも・・
と社員として戸惑うことも・・
でも、これが何とも言えないほど、人間臭くて良かった・・
行間 に、お人柄がにじみ出ていた・・
ビジネス以外、ことの他 多趣味で、文化とか理学とか
探究心 旺盛な方であった・・・
会議では 「何でや?」 と言うのが口癖・・
いつも、この「何でや?」攻撃にサントリーの役員方は
困り果てたそうだ。
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文章の校正、最終 「許可」 は 奥様がなさっていたと確信している。
それはそれは、聡明で、良く気がつき、佐治会長をあらゆる面で支えられた
奥様である・・・・
いわゆる 真に一流な日本人女性、御奥様・・・
社交界での華麗な立ち居振る舞いも、別荘で
お孫さんたちに ソーメンをゆでるのも
何でも こなされる・・・
手を見れば 自分で何でもやっている方 というのが
すぐ分かる・・・・
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佐治会長のバランス感覚は、きっとあの奥様の上手な舵取りと
助言のおかげだと、一社員であった自分は面白く読ませていただいた。
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ハワイでお会いした時、正直に感想を言わせていただいた・・
「会長! 本当に面白かったです。」
「そうか!」 って喜んでおられた・・・
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同じく企業経営者である、武田薬品工業の 武田國男氏・・
この履歴書も、その月は 日経新聞が届くのが待ち遠しいくらい
面白かった・・・
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病弱で、学校の成績が悪く、父親に お前はデキは悪いから・・と
いつも言われ続けていた ダメ三男坊が、あの優良企業武田薬品を
この15年~20年で名実共に世界的な超優良な製薬会社に成長させた・・・
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文章の面白さ、いつも「自分のボケ」を入れたストーリーは
読む人の興味と笑いを誘い、
飾り気の無い 正直 な お人柄を感じさせる・・・
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任期最後に、自分の後継者を選ぶに当り、何を重視したかを
書かれていた・・・
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「私利私欲の無い人」 がキーワードだったそうだ・・・
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経営の第一線を退き、会長に就任された直後の
淋しさ、執着心、物足りなさなどの気持ちも
正直に吐露されている・・・
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佐治さんも、武田さんも オーナー経営者・・
オーナーとしての天真爛漫な、自由闊達な部分が
お人柄に出ている事は間違いない・・
武田國男さんご夫妻の 結婚式のお仲人さんが
佐治敬三ご夫妻だったと知ったのは、
武田氏の履歴書の連載でだった。
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帝国ホテルの 村上信夫 元総料理長
この方の履歴書も これが日本の 「昭和史」
と思うほど迫力があった・・
戦後日本が、やっと世界と肩を並べる事が出来るように
なった経緯が、「料理」と言う世界を通して上手に披露
されていた・・・
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怒って 味付けをすると塩辛くなる・・
味付けは、
穏やかに 自分の感情が落ち着いている時に・・・
なるほど・・
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今月は、某ビールメーカーの元社長・・・
これは、申し訳ないが、面白くない・・
「ラガーは生である・・・」と言って
世の中の消費者の理解、ニーズに逆らい、
マーケティングに失敗し競合他社に、
シェアーNo1の座を譲った時の経営責任者の一人である・・
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最初2-3回読んで、あー 面白くないな ・・・と思い
もう読むのを止めた・・・・
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自分が 大学4年生の 10月1日 最初に会社訪問したのが
この「ビール会社」であった・・・
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日本に、これからもっともっと 型破りで<変人>と言われる
魅力ある経営者、そして人間味 溢れるリーダーが日本の
各分野に生まれると面白い。
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私の 「肩 書 き」 書 でなく、
若い人が励まされ、
希望を持てるようになる、真の「履歴書」、「体験書」を
面白く 語れる人達が多く出てくると
日本はきっと 変わると思う。
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70歳過ぎのお年寄りばかりでなく、
若い人でも「極めている人」
そして、何かを「成し遂げた人達」に
どんどん登場してもらいたい・・
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年功序列とか、肩書き主義なんか 忘れれば
日本は もっと、もっと元気になると思う・・・
投稿者 : 2005年09月20日 21:31
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