2005年08月30日
着こなし
皆さん、着こなし と聞くと何を想像されますか?
ファッション、デザイン、ブランド品、流行・・・・??
悲しい事に日本人ほど、この「着こなし」の悪い民族はいない。
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日本人の「クールビズ」を見れば、極端にわかる・・・
すみません、いきなり過激で・・・
でも、日本では一流ブランド物や高級品を着ている人が多いから、
余計それが目立つ。
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もちろん、アメリカ人も着こなしが悪い・・・
しかし、悔しいことに我ら日本人より体型が良い分だけ
得をしている・・・
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着こなし・・・
実は、私これ 人間の中身と着ている洋服との「バランス」だと思う。
つまり、どういう服を着てるか・・・とか、
どんな高級品を身につけているかではなく、
その人の気品とか、生き方とか、人生の歴史、
そして人間性が着るものと 調和して 醸し出されてくる雰囲気が、
「着こなし」だと思う。
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TPOに対する考え方もはっきり出る・・・
そう、極端に出る・・・
政治家がクールビズが合わないのは、服装に関する主義信条とか
オリジナリティーについての感性が無いから・・・
利権、政治献金以外に、そんなこと考えた事もなく
服装と言えば、せいぜい、背広と週末の服装・・・
あとは冠婚葬祭用「ユニフォーム」のみ
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決して高級ブランド品とか、最先端の流行品などというレベルではなく
その人の内側から出てくる「何か」とうまくマッチさせているファッション・・
それが着こなしだと思う・・・
元 NHKの 磯村さんは数多い海外で活躍されている日本人として
とても着こなしの良い紳士だった。
パリ支局長をされていた時に、実際にロンドンでお目にかかった・・
ファッションセンスだけでなく、マナーや物腰・・そして
話し方・・・・
着ている服と、中身が 合っている・・・・・・
「キザ」 という領域の一歩手前で 止めているところが お上手・・・
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以前英国に勤務していた頃、日本人駐在員は100%と言っていいほど、
アクアスキュータムかバーバリーのオーバーやコートを着ていた。
流行?
ロンドン勤務の象徴?
そう、それこそ、 猫も駐在員も・・・・
どうしてこう日本人は皆 同じオーバーを着るのか?
それも紺とチャコールグレーばかり・・・
クロークは、まるでアクアスキュータム本店コート売り場・・・
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そしてある日私は 同じようにリージェントストリートにある
アクアスキュータム本店に出かけた・・・
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何だ、結局 自分だって・・・・・
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店員のバカにした視線を横目に
カシミヤのコートを試着してみる・・・・・・・
サイズはピッタリなのだが、どうしても違和感がある・・・
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値段も当時のお金で、25万円ほど・・・
非常に! 違和感があった・・・
しかし、そう言う違和感と違う 何か・・・
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鏡を見て・・・
とにかく、似合わない・・・・・・
サイズではなくて 雰囲気が 合わない・・・
何かアクアスキュータムが 私に「おんぶ」しているような・・・・
カシミヤのオーバーが私にかぶさって歩いている・・・ような
自分はコートの為のマネキンみたい・・・
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勤務していた、サントリーのロンドンレストランには多くの
政財界の大物、著名人が来店された・・・
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ある晩、みすぼらしいボロボロのかばんを持った
英国人と思われる紳士が来店された・・・
とても腰の低い、学者タイプの老齢な紳士・・・
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そのボロボロのカバンと、そで口のボロボロになった
バーバリーのレインコートをクロークでお預かりした・・・
誰だろう?と思い、予約のお名前を聞く・・・
当日夜にあった、日本銀行ロンドン支店長のお席のお客様らしい・・・
後で日銀の方に聞くと、何とその紳士は イングランド銀行の総裁であった・・・
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食事が終わり、帰りにコートと、カバンをご用意すると
「これ、実は両方とも祖父の使っていたものなんです・・・」
「古くて驚いたでしょう・・・」って笑って言われた。
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とても新鮮なショックを受けた・・・
英国では、
私は昨日、今日 ブランド物のレインコート、オーバーを着れるようになった
「成金」とは違いますよ・・・と言う価値観がある。
そういう「何か」を所持品や着るもので、 それとなく主張するところがある・・・
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イングランド中央銀行の総裁にコートを着せて差し上げながら
あー 真の一流とはこういう事か・・・と勉強させていただいた。
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着ている物と、人間の中身、年輪、歴史、そして豊かな人間性が
バランスが取れる事を、「着こなし」 と言うのだと学んだ。
そして高級なものを、大事に修理して永く使う・・・
それが、本当の一流品を所持、使用できる資格だと・・・
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自分が、アクアスキュータムのコートを買ったのはそれから
ずいぶん後のことだった。
そして、今でもレインコートと、ウールのオーバーを計四着
大事に大事に クローゼットにしまってある。
似合っているか、着こなしているか・・・は、別にして
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でも、カシミヤのコートはまだ持っていない・・・
正直 カシミヤのコートを 着こなす 自信が無い・・・・
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早く 「着こなし上手」と言われる、中身に味のある人間
として成長したいものだ・・・
もっとも、アロハシャツでは 何とも難しいことだが・・・
投稿者 : 2005年08月30日 22:34
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