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2007年12月23日

サンタクロース

どれだけ待ち遠しかったか

25日の朝が来るのが

なかなか 寝付けない

枕元に サンタさんが今年は

何を届けてくれるか・・・・・って



あの お祈りして頼んだ


「戦艦大和のプラモデル」が


無事届くだろうか



あるいは


メッセージが届いていなくて

頼んだプレゼントと違う物になるか・・・・


まさか 自分の所には

サンタさん 来てくれなかったりして・・・・


イヤ そんな事は ない・・・絶対に来る・・・・



興奮して寝られなかった・・・

早く 寝て25日の朝にならないかと

思えば思うほど 眼が冴えてしまう


その興奮に疲れて 寝入った後・・


やっと待ちに待った 25日の朝が来る


はっと 頭の上を見ると


枕元に リボンの付いた大きな包み紙・・・・

ウオー ! っと布団から飛び出し


部屋の中はまだ寒いのに 

パジャマのまま上に何も着ないで


靴下も履かないで起きる




包み紙を開ける・・・・・



やったぜー! 来た!


サンタさんが自分の欲しかった 


プラ模型を届けてくれた



もう嬉しくって 最高で


母親に 「お母さん! サンタさんから来た! 贈り物が!」って


そのまま パジャマ姿で 台所まで走って報告に行く




あらー ! 良かったわね・・・と


母親も 驚いて・・・た振りをして・・・言ってくれた


来年もサンタさんが来てくれるように
ちゃんと勉強して お利口にしないとダメよ・・・って


母親から言われ

マジに心の底から 真剣に 

「うん!分かった・・」 と

固い決意と共に うなづいたものだ・・・・




小学校 3年のときだった


サンタさんなんていないって知ったのは

マセた同級生から 「知らされて」しまった・・・



嘘だ! と意気込む自分に

マセ小僧達は 「バーッカ!」って言いながら


鼻で笑っていた・・・



今まで 何度も夢が破られた経験をしたけれど


人生の中で この日ほど


ショックな日は なかったなー ・・・



自分が親になったら

自分の子供にも

出来るだけ永く 


サンタさんの存在を信じて欲しくて


毎年 12月24日は 手の込んだ芝居や仕掛けを


したもんだ・・・・



娘に言う


「サンタさんは 夜遅くまでたくさんの子供に
プレゼントを配って大変だから、枕元にお返し
の意味で何かを置いておこう・・・」って


娘は うん と真面目な眼をしてうなづく


「何を置いておくのがいいの? パパ」って


そうだな・・・・・


やっぱり外は寒いし


「ブランデーを一杯と サラミソーセージでも
一切れ 置いておくか?」


「うん ママ  ブランデーグラスとサラミ一切れ頂戴!」

真剣だもの・・・・

子供の その真剣さは今でも忘れない




小さなお盆の上にブランデーグラスを置いて 
ブランデーを少々注ぎ、サラミソーセージを置く 



子供部屋が ちょっと酒臭い・・・・けど 


ま いいか・・・って

これで 大丈夫だ


安心して寝なさい・・・って


うん おやすみなさい!

娘は ウキウキ ドキドキ ワクワク 

ブランデーの香りのする部屋の中で

しばらくすると眠りについた・・・



25日の朝が明ける


子供が起きる


「パパー!」 っと 絶叫と共に


私の部屋に飛び込んできて

「 ねえねえ聞いて・・・サンタさん来た!
ホントに ブランデー飲んでったよ!・・・
そんでもって サラミも 一口食べて行ってるっ!
サラミに かじった跡が残ってるー!」って



「 何 ? 本当か?  そうか
サンタさんは やっぱり飲むんだなー」 なんて


「あ ブランデー美味しかった
ありがとう・・」ってカードもあるぞ・・


「おー!」 


娘は 完全に 「鳩が豆鉄砲」・・・状態だ

 


私の迫真の演技は これで終わらない

あ! ほら見てみなさい

窓のところに 足跡があるぞ! って


前の晩に 白いパウダーを靴の底に塗って

付けておいた 「サンタさんの足跡」を指差し 

子供に見せる・・・


娘の眼が 一層丸く 点になっていた・・・


ウッソー!って

この窓から入ってきたんだ・・・・・


幸いウチの子は 小学校5年生くらいまで

サンタさんの存在を 信じてくれた



サンタさんの存在を否定するマセた同級生に

盛んに ブランデーとサラミ それに


白い靴跡が 窓に付いていた事実で反論し

クラスの中で 「サンタクロース実在 論者」の


中心人物だったらしい・・・



他人をだます人間が増えてきて

偽装する風潮が 社会に根付いてきたけど


こんな偽装工作や真剣にサンタさんの存在を

信じさせられることは 何と夢があって


素敵な事だろう・・・・・


最近この歳になって ふと思う



サンタクロースって 実は
本当にいるんじゃないか・・・って




ただ 実際に現れてくれないのは

自分が大人になって


母親が言っていたように 


お利口にして勉強しなくなったから・・

それが理由じゃないか・・・なんて



死ぬまでに 一度

本当のサンタクロースから 


枕元に贈り物を届けてもらいたい

投稿者 : 2007年12月23日 09:28

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