2005年06月24日
ハワイの商習慣
ハワイでビジネスを始めた方が、意外なところでつまづく事がある。
それは、ハワイの商習慣を知らないから・・・
私も何度か失敗した・・・・・・
ハワイの人たちは、合理主義の米国流とはちょっと違って
とても人間関係を重視する。
私は全米の事は知らないが、ハワイ州は他の州と比べ
この人間関係が、ウエットだと思う・・・
意外と 古風である。
価格、儲け幅、条件次第・・・・
そういう要素ももちろんあるが、これまでの取引の歴史、人間関係
、過去にお世話になった・・・などなど
そういうものもしっかり見極めたり、意識する習慣がある。
ハワイでビジネスをする場合、必ず肝に銘じておいた方が良い事がある。
まず、
購入する、仕入れる側だからといって、
「何で時間通り配達しないんだ! お前のところとはもう取引しないぞ
責任者出て来い!」
なんて 偉そうに 怒ってはいけない・・・
そして、 誰にでも親切にしておくこと・・・
何か頼まれたり、相談されたら、面倒くさがらずに
出来る範囲で、応えておく事・・・
不義理を重ねていると、狭い社会なのですぐ悪評がたったり
ブラックリスト情報に載ってしまう・・・・・・・
昔サントリー時代に世話になった酒類卸問屋の社長とは
私がサントリーを辞めた今でも お付き合いしている・・・
サントリーの米国でのビールマーケティング、ブランド戦略で
この問屋さんに多大な無駄と迷惑をかけ、最後は後ろ足で砂を
かけるようなことになったのに、今でも付き合ってくれている・・・
ハワイの人は、結構 義理や人情、そして正直さなんかを
相手の仕事の仕方を通して しっかり見極めている・・・・
ずるい事や、陰で手数料を稼ごうなんて事をしてると、
すぐ嗅ぎつけて、「もうアンタとはこれが最後!」 なんてやられる。
反対に見返りを期待しないで、応援したり、寄付やタイアップ
などに協力すると、これも必ず覚えていてくれて、後で良い
お返しをしてくれる・・・
派手ではないけれど、心が感じられる「何か」を返してくれる。
ハワイは、のんびりとしていて、時間にルーズで、大きな市場ではないが
こういう善意や、正直さ、そしてお互い様の協力支援がとても重要。
都会のような、他人に無関心で自分の利益にならない事は
全てシャットダウン・・・
そういう主義の方は、ハワイではまず成功しない。
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サントリーの佐治敬三元会長は、生前ハワイの方々の間でとても人気者だった。
商いの情・・・ 心の商い・・・
そんな事を常におっしゃっていた経営者だった。
会長ご家族がハワイに滞在されていた頃、当時カハラヒルトン、
今のカハラマンダリンホテルで、毎日開かれていた
「ダニー カレキニ ディナーショー」に行かれた際、ホテル側のご好意で
一番 正面中央のテーブル席をご用意いただいた。
会長から、帰り際に 「内田君、ホテルの支配人にお礼状を書いてくれないか・・」
そう言われ、早速お礼状を用意した・・・
翌日、別荘のコンドミニアムにお礼状を持っていくと、佐治会長は
何度も何度もそのお礼状を読み返し、
この単語はこれで良いのか?
等と細かく チェックされた。
あー、 やっとサインしてくれた・・・・・ 安堵!
ハワイでは、こういう心遣い、お礼のレターなどがとても評価される・・
というか 常識 ・・・
そんな習慣、「常識」 を佐治会長から教えていただいたような気がする。
ハワイは今でも 商いの心、人間関係のマナー、人情のような
ものが日頃の商習慣に残っている土地柄である。
投稿者 : 2005年06月24日 09:19
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